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第23話

 「入学式から1ヶ月後、僕のクラスに転校生が来たんだ」  場所は公園から変わって俺の部屋。お互い何も話さず、静かに過ぎ去る時間は宵人のこの言葉で止まった。  「転校生...?それは、知らなかったな」  「まぁ、愛都には言ってなかったしね。たまたま僕はその転校生と同じ寮の部屋になったんだけど...そこからなんだ。それから徐々に僕は...愛都の言うとおり、イジメが始まったんだ」  ギュッと拳を握り、悔しそうに宵人はそう言った。そんな宵人の拳に優しく触れると、スッと下げていた視線を俺の方へ向ける。  「隠しててごめんね。でも今、全部話すから...だから僕のこと嫌いにならないで...見捨てないで...っ」  「、あたりまえだろ!俺はずっと宵人と一緒にいるから」  ソファに座る宵人の前で膝をついて立ち、視点を合わせて見つめる。  真摯な姿を示して、どれだけ俺が真剣なのかを教え安心させるために。  「...ありがとう。じゃあ、続きを話すね」  そしてそんな俺を見て宵人は安心したのか、優しく微笑み一息ついてから先ほどの話の続きをし始めた。

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