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第27話
「...ぁ、ここ...は、」
次に目を覚ました時、一番最初に視界に入ったのは見覚えのある家具たちだった。
その家具たちの持ち主はあいつ――叶江だ。
きっと気を失っている間に叶江の部屋に連れて来られたのだろう。
しかしなぜ俺が...
この部屋に自分以外の存在は感じられない。
宵人はここには連れて来られていないのか...。
とりあえず今はここから出よう。考えるのは後だ。
今宵人を1人にしておいてはいけない。俺がそばで見守っていなければ...。
そう思い体を動かせば長い時間床の上に放置されていたのか体の節々が軽く痛んだ。
「...っ、なんだよ、これ...」
そして自分の首についている忌まわしい存在に気がついた。
――首輪だ。俺の首に首輪がついている。
それは壁と鎖で繋げられていて立ち上がろうとすると、長さが足りず首をひどく締め付けられてしまう。
ここに誰もいないうちにどうにかしてここから出ていけないか、と必死になって首輪に手をかけるが当の首輪は革製のものなのかビクともしない。
段々と焦り始め、手汗を掻いてしまい余計に首輪をどうにかすることが出来なくなってしまった。
「無理、か...。なら鎖を...」
そして仕方なく別の手段で何とかしようと考え、行動に移そうとした時後ろの方からガチャリ、とドアを開ける嫌な音が聞こえた。
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