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第30話
皆何を言っているんだ。お前らは俺に暴力を振るうだけだろう?
痛めつけてわけのわからない理由で間接的に宵人を傷つける。...それがお前らのバカな考え方じゃないのか。
香月に手の平で口を押さえられ、何も言い返せないままに俺は床へ押し倒される。
「和史、ちゃんと抑えつけといてねぇ。暴れられたりして俺の顔に傷が出来ちゃ困るしさ~」
「うるせぇ、ナルシスト。黙って、やることだけやってろ」
綾西とそんな会話をしながらも香月は冷めた目で俺を見て着々と動きを封じていく。
俺よりも強い力で腕を上にまとめられる。
手がダメなら先ほどと同様今度は足で、と行動に移そうとするがその考えはあっさり香月に読まれ、空いている方の手で足首を掴まれる。
そして、そのまま香月は無理に俺の足と足の間に入りついに俺は手も足も自由が利かなくなってしまった。
「い、やだ...っ、やめろ!触るな!!」
「うるせぇな...おい晴紀、こいつの手押さえるの代われ」
「いいよ。手ぐらいだったら僕でもいけそう」
すぐ近くで楽しそうにこちらを見ていた永妻は香月に言われるまま、俺の腕を床に縫いとめる。
「愛都君、近くで見るとますますかっこいいね。この顔がこれから快感で歪むだなんて...楽しみだな」
「黙れっ、俺は――、んんっ...ぅっ、」
怒鳴っている途中で唇が塞がれて言葉は呑み込まれてしまう。
俺に唇を重ねてきた永妻は恍惚そうな顔をしながら茫然としている俺の口内へ舌をねじ込んできた。
流れてくる唾液、体温が気持ち悪くて顔を背けようとするが、永妻は空いている手で俺の顔を押さえて固定させる。
「...ん...ふぅ...ん!んんっ!」
そんな中いつの間にか俺のベルトを外した香月はひとまとめにズボンと下着を下げ、下半身にヒヤリとした冷たい空気が纏う。
抵抗もできないまま左足から脱がされズボン、下着は右足の膝あたりまで通されているだけという羞恥の状態にされる。
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