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第68話※
「これ、すごくおいしい。綾西でもコーヒーを上手に作ることができるんだな」
「...ぁ、ははっ。俺だってこれくらいできるしぃ」
千麻の呆気ない言葉に俺は今度こそ胸を撫で下ろした。そして横目に、ソファに座ってカップの中身をすする千麻を見る。
よし...計画通りだ。あとは千麻に媚薬が効くのを待つだけだ。その後は犯ってあいつの顔つきでハメ撮り写真を撮って...
それを脅しの材料に使えば俺は主導権を握ることができる。
「それじゃあ、ちょっと着替えてくるね~。あ、話したいこともあるから俺がいない間に勝手に帰らないでよ?」
「わかった。黙ってコーヒーでも飲んで待ってるよ」
微笑し目を細める千麻。その余裕な顔ができるのも今だけだ。
これから起こるであろう出来事を想像して、俺は心の中でほくそ笑んだ。
寝室に行き、制服からラフな部屋着に着替える。そしてスウェットのポッケに小型のカメラと使い切りタイプのローションを入れる。
「ゴムは...あー、こないだ使い切ったんだ」
まぁ、無くてもいいか。逆にナマの方があいつの嫌がる顔が見られそうだし。
全ての準備を終え、時計を見れば部屋に来てから10分弱経っていた。
即効性だと言っていたしもうそろそろいい感じだろう。
部屋の扉を開け、居間の方を見れば先ほどとは違い、力なくソファの背に身体を預けた千麻の姿が見えた。一歩一歩ゆっくりと歩いて千麻に近づいて行く。
「...おい、千麻...」
その掛け声に応える声はなく、少し荒い呼吸音だけが聞こえた。
机の上にあるカップの中身はほんの一口二口残っているだけ。...ということは結構な量の媚薬を摂取したのか。
千麻の前に立ち、顎を持ち上げこちらを向かせる。千麻は苦しげに瞑っていた瞼を僅かに上げて俺の方を見てきた。
「あや...にし...」
上気した頬に掠れた声、苦しげな表情。それら全てが何ともいえない深い色気をはなっていて俺はごくり、と喉を鳴らした。
「あはははっ、ねぇ苦しい?...いつもの余裕もないようだね...」
「...はっ...んんっ、やめ...っ」
顎を掴んでいた手を離すことなく、そのまま唇を重ね熱くなった舌を吸えば、さらに千麻は頬を赤らめた。
空いている方の手で千麻の主張しているそこを触れればすごく敏感になっているのか、苦しげに眉を寄せる。
「きついでしょ~?ラクにしてほしい?」
千麻を押し倒そうとソファに片膝をつき、肩に手を掛ける。
「ん...っ」
「ははっ、呆気ないなぁ...」
もう俺の中に千麻に対する恐怖はなかった。
あるのは、
こいつに対する支配欲だけ。
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