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第75話
『...ぅ、くっ...おい、こんな締めつけて...本当はお前も気持ちいいんだろ?』
激しく揺さぶられる身体。強すぎる快感に対して俺ができることは喘ぎ声を出すことのみ。
体の中がおかしくなってしまうのでは、と思うほど乱暴に突き挿れられているのに...香月は俺をただの性欲処理の玩具のように扱っているだけなのに...
自分か持っているものと同じものを突き挿れられ、犯されることに俺の体は歓喜し悦に浸りきってしまっていた。
『淫乱...男にヤられて、イキまくってよ。はっ、腰動いてるぜ?』
――ちが...っ、俺は...俺は...っ
霞んだ視界の中、見えるのは香月の顔だけ。頬を滑る汗はもはや俺のものなのか香月の頬から落ちてきたものなのかは分からない。
すぐそばの扉を開ければそこには綾西がいるが、気がつくことなく香月は愛都を攻め続ける。
- バカみたいに喘いで、しかも自分で快感を求めるように行動して...。
『お前は...人間以下、だな』
俺を見下す目、嘲笑い蔑む目、目、目。
―いや、だ...っ、そんな目で俺を、見るなっ。俺はお前ら屑とは違うんだ、こんな...こんなことをされていいわけない。もう俺は前の俺とは違うんだから。
『何も、変わってねぇな...お前は男に犯されて、喜ぶ。淫乱...やっぱりお前には犬がお似合いだな、』
――ちが、う...俺は...俺は俺は...っ!!
―
――
―――
「 愛都 」
「...ぁ、」
抱きしめられる体。うっすらと瞳を開けるとそこには見覚えのない空間が広がっっていた。
「ここは俺の部屋。そして俺のベットの上」
「...かな、え...?」
後ろから抱き締められているせいで相手は見えないが声でその相手が誰なのかがすぐに分かった。
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