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第79話
「愛都君、昨日はどこにいたの?...泰地のところにずっといたの?」
「ん?あ、沙原君」
叶江に漸く解放されたかと思えば、今度はこいつか。
俺は目の前に立つ沙原の姿を見て心の中で舌打ちした。
朝早くに学校に着いた俺は叶江がすぐそばにいることを気にするまでもなく自分の席の机に突っ伏していた。
叶江はそれに対して特に何も言わず、ただ俺の髪の毛をいじったりなど他愛無いことをしてしばらくの時間を過ごし、登校してくる人の姿が増えてくると静かにその場を去っていった。
―それなのに、
それから時間を置くこともなく、沙原が俺の目の前に現れた。
「昨日は綾西君のところへ言った後、昔馴染みの友人の元へ行ったんだ。そしたら久しぶりのこともあって話が弾んでさ、そのまま泊らせてもらったんだ」
ちゃんと連絡しなくてごめんね、そう言えば沙原は納得のいかない顔をしてふーん、と何度か小さく頷いた。
「ねぇ、愛都君。今日のお昼さ、一緒に食べない?...いや、僕が一緒に食べたい...んだけど、」
片方の手で頭を軽く掻きながら沙原は恥ずかしそうにそう言った。
その返答として俺は“ごめん”そうはっきり断りを入れようとしたが、一端出かかった言葉を飲み込み、考える。
せっかく沙原が積極的に行動を起こしてきているのに、俺が何度も蔑にしていては後々の計画に支障をきたしてしまうかもしれない。
それに今日は叶江の部屋に泊まったせいで昼は用意していない。
購買で済ませてもいいが、今回のところは沙原と一緒に食べることにしよう。
「うん、いいよ」
瞬時にそう結果をだした俺はニコリと笑んで、沙原の誘いを了承した。
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