17 / 39

第17話

「けッ。お高く留まりやがって」 「海斗の時は、イイ声で啼いてたけどなぁ」 「でも、結構よかったじゃん」  口々に勝手なことを話す男たちをまとめる、海斗の声が聞こえる。 「おら、もう行くぞ」  足音が廊下へ出て行き、次第に遠ざかって行った。 「う……、痛ッた……」  せっかくの制服も、汚れてしまった。 「畜生」  惨めだ。  涙がにじんでくる。  天井を向き、こらえた。  ぱん、と両頬を叩き、気合を入れた。 「さ、帰るぞ」  汚れてしまった制服と、汚れてしまった体をいたわりながら、尊は帰途に就いた。

ともだちにシェアしよう!