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第17話
「けッ。お高く留まりやがって」
「海斗の時は、イイ声で啼いてたけどなぁ」
「でも、結構よかったじゃん」
口々に勝手なことを話す男たちをまとめる、海斗の声が聞こえる。
「おら、もう行くぞ」
足音が廊下へ出て行き、次第に遠ざかって行った。
「う……、痛ッた……」
せっかくの制服も、汚れてしまった。
「畜生」
惨めだ。
涙がにじんでくる。
天井を向き、こらえた。
ぱん、と両頬を叩き、気合を入れた。
「さ、帰るぞ」
汚れてしまった制服と、汚れてしまった体をいたわりながら、尊は帰途に就いた。
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