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第26話
そうです、と海斗はやたらいい笑顔だ。
「タピオカミルクティー、飲みに行きましょう!」
「ま、待て。ちょっと待て!」
強引に手を引かれ、尊は外へ連れ出された。
バスに乗り、ショッピングモールへ入り、カフェに並んだ。
(こんな所を知り合いに見られたら!)
終始下を向いている尊を、海斗が小突く。
「斎藤さん、下向いてたら返って目立ちますよ。堂々と! 胸を張って!」
周囲を伺ってみると、自分らを怪しく見ている目は無い。
そろそろと、尊は顔を上げた。
「はい、ミルクティー」
「さ、サンキュ」
海斗が、飲み物を渡してくれた。
テラス席に掛けて、二人で女子高生をやった。
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