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第2話

 大学2年生になり20歳になった吉乃は、同じ学部学科の先輩後輩たちから祝いの飲み会に誘われた。  初めて口にする酒に舞い上がり、少々羽目を外してしまったか、2次会の終わる頃にはふらふらだった。  そこへ、3年生の江頭が持ち掛けてきたのだ。 「俺の部屋で少し休んで行けよ」  思えば、ここで断るべきだったのだ。  気を回した他の先輩たちが、送るとも言ってくれていた。  しかし江頭は持ち前の強引さで、半ばさらうように吉乃をタクシーに押し込んでいた。  自分の城へ、連れて来た。

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