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第6話

 吉乃から引き抜いた江頭は、淡白だった。 「もう、帰っていいぜ。てか、早く消えろよ」  これが、今の僕にかける言葉か、と吉乃は痛む頭で思った。  悪酔いしてるところを無理やり犯され、スキンも付けずに中出しされて。  いや、これが江頭さんという人なんだ、と噛みしめた。  悪い評判は、聞いていた。  これほどまでとは思わなかったが。  ジーンズを上げ、リュックを背負い、ふらふらとドアへ向かった。  そんな吉乃の背後から、下卑た言葉が投げられた。 「これでお前は、俺の物だ」  ぞっとした。  具合の悪さも忘れて、ドアから出ると駆け出した。  滅茶苦茶の無茶苦茶に、走った。

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