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第11話
いや、こちらこそごめん、と健は謝ってきた。
「20歳の歓迎のつもりが、悪酔いさせちゃって。江頭は? 彼に、何かされなかった?」
どきり、と吉乃の胸が痛みを伴い打った。
どうしよう。
相談しようか、レイプされたこと。
「いえ、別に。タクシーの中で吐きそうになったから、僕がここで降ろしてもらったんです」
「……そう」
眼が怖い。
葉月さんの、澄んだ眼が怖い。
何もかも見透かしているような、眼が怖い。
しかし健はそれ以上何も言うことなく、開けた通りに吉乃を連れて来るとタクシーを拾った。
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