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第20話
気が動転してしまった、と健は吉乃にわびた。
「まさか、雨宮くんが赤月の一族だったとはね」
赤月の一族?
「僕は、ひいおじいさんに教えられたとおりの事をやっただけですが」
「その呪法を知っている、そして使うことができるのが、赤月の一族の証拠だよ」
健は、いつものように穏やかに話す。
彼の醸す、平和的な空気が、吉乃は好きだった。
健のことが、好きだった。
「じゃあ、その呪法で現れた葉月さんが、僕を助けてくれるんですか?」
「そういうことになるね」
健は、改まって指を組んだ。
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