21 / 33

第21話

「何か、トラブルに巻き込まれてる?」 「そ、それは」  吉乃は、口ごもった。 「ぅん?」 「葉月さん、僕、僕……」  吉乃は、これまで堪えていた江頭の非道を、振り絞るように話して聞かせた。  レイプされ、その後も関係を迫られ続けていること。  日常にまで入り込み、身勝手に自分を振り回すこと。  アダルトグッズで責められ、今度は覚醒剤までやらされること。 「僕、もう、限界なんです……!」 「辛かったね」  健は、静かに吉乃の頬に手を当て指で涙をぬぐった。

ともだちにシェアしよう!