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第6話
「んぁあ! はッあぁ!」
「いい声だ」
三ツ矢は、規則的に動き始めた。
「あ、あぁ! ヤだ。んッあ。うあぁ!」
ぱん、ぱん、ぱん、ぱん、と細かく速く動く三ツ矢の腰突きは、満の心を蝕んだ。
蕩けるような前戯で感じた、『これが伸彦だったら、どんなにいいだろう』との思いは、削れ溶けて消えた。
「解るぞ、ミチル。次にお前が何と言うか」
「あ、あぁ。三ツ矢先生ッ、もっと。もっと奥までぇえ!」
満の声を聞くまでもなく、三ツ矢は腰を強く叩きつけた。
「んあぁん! 音、が。ごりッって、音が鳴ったぁあ!」
「そんなはずはない。空耳だ」
身も心も熱く火照らせる満とは対照的に、三ツ矢はどこまでも冷静だ。
彼なら、自分があと何分後に射精するかも解っているに違いない。
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