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第8話
「はぁ、はぁ、あぁ。ぅあぁ……」
「満足したか、ミチル」
そういう三ツ矢のものは、満の体内でまだ張りを保っている。
「まだなら、もっと与えることができるが」
「もう、結構です。これ以上ヤると、死んじゃう……」
死んだら大変だな、と三ツ矢は満からペニスを抜いた。
「後始末は、任せておけ。お前は家に帰って、宿題でもしろ」
「お願いします……」
三ツ矢には、よく解っていた。
この後、床に零れた体液の拭き掃除など満にやらせれば、どうなるか。
刹那の欲に溺れた自分を責め、伸彦への想いがさらに募る。
そうさせないために、満を人間社会へ速やかに放り込むのだ。
雑踏に揉まれていれば、仮の家族の元に帰れば、嫌でも気が散る。
「さよなら、三ツ矢先生。ありがとうございました」
「また明日、会おう」
教室のドアが、静かに閉じられた。
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