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第19話
元旦、満と伸彦は初詣を終え境内を歩いていた。
「満は、何てお祈りしたんだ?」
「宝くじで伸彦の人格が変わってしまいませんように、って」
ははは、と笑う伸彦は能天気そのものだ。
「そんなわけ、ないよ。俺は、俺さ」
昨日、セスナ機買って遊びでフライトする、っていったくせに!
満の胸の内は怒りや悲しみ、やるせなさで溢れそうだった。
しかし、ここからだ。
今から、伸彦を正道に戻して見せる!
決意を秘め、満は話を持ち出した。
「今から、伸彦の家にお邪魔してもいいかな?」
「いいぜ。父さんと母さん留守だから、お年玉は出ないけど」
「お年玉目当てなんかじゃ、ないよ」
「俺が、お年玉あげようか!」
「い、ら、な、い!」
じゃれ合いながらも心は引き締め、満は伸彦宅へ向かった。
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