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第24話
満。
いつも、俺の傍にいてくれた満。
俺の描いた飛行機の画を、いつも上手いと褒めてくれた。
勉強が振るわない時は、根気強く教えてくれた。
ガールフレンドにうつつを抜かしていた時は、将来の夢を思い出させてくれた。
「全ては、伸彦が旅客機の機長になるためだったんだ。多くの人命を、救うためだよ」
「嘘だ!」
伸彦は、満の手を固く握った。
「少し。ほんの少しくらいは、俺のこと好きだったろ!? 好きだから、ずっと一緒に居てくれたんだろ!?」
若いな、と三ツ矢は呆れ声で言った。
「青鹿といい、内藤といい、どうしてこうも私を困らせてくれるのやら」
いいだろう、と三ツ矢は続けた。
「確かに青鹿は、内藤のことを」
「シュウ! それは言わない約束!」
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