24 / 35

第24話

   満。  いつも、俺の傍にいてくれた満。  俺の描いた飛行機の画を、いつも上手いと褒めてくれた。  勉強が振るわない時は、根気強く教えてくれた。  ガールフレンドにうつつを抜かしていた時は、将来の夢を思い出させてくれた。 「全ては、伸彦が旅客機の機長になるためだったんだ。多くの人命を、救うためだよ」 「嘘だ!」  伸彦は、満の手を固く握った。 「少し。ほんの少しくらいは、俺のこと好きだったろ!? 好きだから、ずっと一緒に居てくれたんだろ!?」  若いな、と三ツ矢は呆れ声で言った。 「青鹿といい、内藤といい、どうしてこうも私を困らせてくれるのやら」  いいだろう、と三ツ矢は続けた。 「確かに青鹿は、内藤のことを」 「シュウ! それは言わない約束!」

ともだちにシェアしよう!