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第25話

「確かに青鹿は、内藤のことを愛している。私が人間社会に派遣されたのは、その募る心を制御するためだ」 「満、お前」 「もう、ヤだ……」  バラしちゃった。  僕が伸彦を好きだってこと、バラされちゃった! 「だが、内藤。お前はどうなのかな?」 「お、俺!?」  知っているぞ、私は。  三ツ矢はさらに、伸彦の心を暴いていった。 「内藤。お前はそこそこモテる。そして、複数の少年少女と関係を持っている。そうだな」  つん、と柑橘系の香りが漂った。  三ツ矢がみかんを剥いている。 「それでも本命を作らず、のらりくらりと遊んでいた理由を私は知っている。今ここで、話そうか。それとも、自分で白状するか?」

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