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第28話
「心変わりなんて。そんなこと、あるわけないじゃないか」
なぁ、と同意を求める伸彦に、満は曖昧に微笑んだ。
(シュウ、僕との関係をわざと伏せてくれたんだ)
彼との肉体関係を思い出し、満はぶるっと震えた。
ヤだ。
何だか、熱くなってきた。
「満」
伸彦の視線も、熱い。
満が瞼を閉じると、唇に柔らかいものが触れて来た。
「伸、彦……っ」
二人で、口づけを交わした。
舌を絡めて、熱いキスをした。
満は伸彦の舌を唇で挟み、舐めて扱いて唾液をしゃぶった。
「キス、巧いな」
は、と満は我に返った。
嬉しくて、つい……。
三ツ矢先生に仕込まれたテクニックなど晒すと、経験豊富なのかと勘繰られてしまう。
「伸彦も、もっと積極的になってよ。さっきの啖呵みたいに」
「言ったな?」
泣かせてやるぞ、と伸彦は満を求め始めた。
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