28 / 35

第28話

「心変わりなんて。そんなこと、あるわけないじゃないか」  なぁ、と同意を求める伸彦に、満は曖昧に微笑んだ。 (シュウ、僕との関係をわざと伏せてくれたんだ)  彼との肉体関係を思い出し、満はぶるっと震えた。  ヤだ。  何だか、熱くなってきた。 「満」  伸彦の視線も、熱い。  満が瞼を閉じると、唇に柔らかいものが触れて来た。 「伸、彦……っ」  二人で、口づけを交わした。  舌を絡めて、熱いキスをした。   満は伸彦の舌を唇で挟み、舐めて扱いて唾液をしゃぶった。 「キス、巧いな」  は、と満は我に返った。  嬉しくて、つい……。  三ツ矢先生に仕込まれたテクニックなど晒すと、経験豊富なのかと勘繰られてしまう。 「伸彦も、もっと積極的になってよ。さっきの啖呵みたいに」 「言ったな?」  泣かせてやるぞ、と伸彦は満を求め始めた。

ともだちにシェアしよう!