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第29話
気持ち悦く満に口を預けながら、伸彦はゆったりと、時には手際よく彼の服を剥いでいた。
キスに夢中の満は、伸彦に全てをゆだねている。
満の身体を晒し、伸彦は吸い付くようにきめの細かいその肌を手に味わった。
「すげぇ。すべすべ」
「ね、伸彦。早く……」
口を離して息を弾ませ、ねだるようになったのは、胸の乳嘴を苛めるようになってからだ。
「俺のキス、ここに欲しい?」
こくり、と無言で頷く瞳はすでに潤んでいる。
「でも俺の口は、満にキスされててお留守です~」
「意地悪なんだから……」
ため息交じりの、切ない物言い。
伸彦は、負けた、と思いながら満の胸元に唇を寄せた。
「あぁ……」
口に含むと、溜息が漏れた。
首を振り、髪が散る。
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