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第34話
「ただいま」
「おかえり」
疲れた様子の、伸彦。
だが、玄関先まで走って来た満の姿を見た途端、笑顔になった。
「頑張ったよ、俺」
「お疲れ様」
二人で、固く抱き合った。
運命の日から、二週間。
伸彦はようやく解放され、自宅へ帰ることができた。
成田発、海外行きの大型旅客機が一便、あわや市街地への墜落をかわし海へと着水したのだ。
機長は、内藤 伸彦。
彼の神業は、明るいニュースとして世界中を飛び交った。
伸彦は、運命を遂行したのだ。
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