豊は、組んでいた指をほどいた。 「元宮くんに、絵のモデルになって欲しい」 「モ、モデル！？」 　モデルなら、もっと可愛い女の子なんかに頼んだ方がいいんじゃないのかな。 　そんな響に、豊は顔を曇らせた。 「実は最近スランプで。まともな絵が、描けないんだ」 　春休み期間中、何かひとつ完成させたいと考えていた豊。 　だが、結局描けずに終わってしまったという。 「俺の中の既成概念を、打ち壊したい気分なんだ」 「そうか。じゃあ、僕でよければ喜んでモデルになるよ」 「ありがとう。あ、ちなみにヌードモデルだから」 　ヌードモデル。 「ヌ、ヌード！？」