22 / 32

第22話

 目の前がチカチカして、白くなる。  腰が、勝手に痙攣する。  いつの間にか豊の背に回している、腕。  響は、これまで味わったことのない悦楽を、エクスタシーを全身で感じていた。  どく、どくんと体内に射精される豊の熱い体液を、酔った心地で味わった。  どれくらい、そうしていただろう。  気怠い。  何も考えられない。  いつのまにか豊は響から、その身を引き抜いていた。  ぴくりとも動かない響の耳に届くのは、鉛筆を走らせる音。  うつろな瞳に映るのは、猛然とスケッチブックに向かう豊の姿だった。

ともだちにシェアしよう!