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第一章・9
いつしか荒い息を吐き出し始めた秋也は、玲の髪に触れていた手を頬に当てその指先で耳にいたずらを始めている。
柔らかくゆっくりと耳をいじられているうちに、玲は体の芯が熱くなってくるのを感じた。
唾液の糸を引いてようやく玲の咥内から抜き出された秋也の舌は、今度はその首筋をたっぷりと這い回り始めた。
「ちょ、やめ! 秋也、おしまい。もう、おしまい!」
慌てた玲は、首をひねってすがるような眼を拓斗に向けた。
だがテーブルを挟んで向こう側に座っている拓斗は、ワインの瓶をぶらんと手に下げたままニヤニヤと頬杖などついて二人を見物している。
首筋を強く吸われ、玲は悲鳴をあげた。
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