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第一章・10

「やめて、秋也! 見られてるんだよ? 拓斗が見てるんだよ!?」  そんな必死の願いが通じたのか、拓斗がようやくソファからゆっくりと立ち上がった。  は、と秋也は玲のシャツのボタンをはずしにかかっていた手を止めた。 (何をやってるんだ、俺は!)  熱に浮かされたようになっていた秋也の頭は少しずつ冷静さを取り戻し始めたが、拓斗が二人の横に腰かけた次の瞬間、玲は音がするほど息を飲んだ。  拓斗が、手にしていたワインを玲の首筋からだらだらとこぼし始めたのだ。  すっかりぬるくなってしまったワインが、玲の白い首筋から胸にかけて紅く染め上げてゆく。

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