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第二章・4

「玲? いるのか?」 「秋也?」  秋也でも呼べよ、と拓斗は言っていたが、まさか本当に現れるとは。  そうこうするうちに、 秋也は室内に上がり込み、玲を眺めやった。  牡蠣を手にしてぽかんとしている玲から黙ってそれを取り上げると、ナイフで素早く殻を開いてくれた。 「……ありがとう」  秋也、優しい♪   玲のきゅんとする胸の内を知らず、秋也はもくもくと牡蠣の殻を開け始めた。 「拓斗と会ってな。お前が牡蠣を御馳走してくれると聞いて来てみたんだ」 「あ、うん。拓斗は用事ができちゃって、それで。あ、食べて。どんどん食べちゃって」 「そうだな。いただくか」  瞬く間に半数近くの牡蠣の殻を開けてしまった秋也は、ひとつ、またひとつと牡蠣をすすり始めた。

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