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第二章・8

「どうした」 「星がとってもきれいなんだ」  そういえば最近星などゆっくり見ないな、と秋也も窓辺に肘をかけ外を眺めた。  しばらく二人で星空を眺める。  澄んだ空気に瞬く星々を結び、星座を語リ合う。  こっちとあの星を結ぶとあんな形に見える、などと勝手に新しい星座を作っては笑う。  穏やかなひとときがゆっくりと過ぎて行った。  ちょっと冷えてきたな、と玲が思い始めたその時。  夜風がふいに窓から入って、彼の髪をふわりと動かした。  甘い香りが、秋也の鼻をくすぐる。  その匂いに、秋也はかすかに眩暈を感じた。 (いい香りだ)  玲の横顔を見ているうちに、心臓の鼓動が早まってきた。  おかしい。  そんなに飲んではいないはずだが。  冷たい夜風に当たっているというのに、体も熱くなる一方だ。

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