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第二章・14
「どういうことだ? 俺は確かに牡蠣がたらふく食べられるとはいったが、玲までいただけるとは言ってないぜ?」
秋也と玲が寝ることに関してはやぶさかでない拓斗だが、それがレイプとなると話は別だ。
毛布でその身を包み小さく丸くなった玲は、うっすらと眼に涙まで浮かべている。
「別にダメっていうわけじゃねえが、無理強いってのは何なんだよ」
「いや、俺はそんなつもりじゃ」
そう言いながらも、秋也はまだ荒い息を吐いている。
「しかも、俺のベッドでだぁ? 言い訳は聞きたくねえな」
拓斗の声に険が立つ。
「拓斗、秋也を責めないで。ごめん。僕が、僕が」
ごめん、秋也。
玲はそこまで言うと、うつむいて黙ってしまった。
僕が? ごめん?
拓斗は不審を抱いた。
確かに無理強いは、秋也らしくない行動だ。
とすると、玲の方が誘ったのか? にしては、大人気ない。
誘っておいてその気にさせて、やっぱりイヤ、というのはあんまりだ。
これはこれで、玲らしくない。
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