43 / 256

第二章・15

「何があったんだよ。玲?」 「う……」  もじもじと挙動不審な玲。  拓斗は、ピンときた。  これは絶対何かある。 「おい、秋也」 「うん」  不思議な二人のやりとりに、玲は顔を上げた。  そこを狙って、秋也がその細い顎に手をかける。  ゆっくりと、唇を合わせてきた。  今度は違う。  いつもの秋也の、いつもの甘い優しいキスだ。  舌先が、玲の唇をていねいになぞる。  歯列を、歯茎をゆっくりと舐めとる。  薄く開いた間から、そっと差し込まれる舌に玲は思わず反応した。  だがしかし。  舌を伸ばし、絡めようとしたとたん。

ともだちにシェアしよう!