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第二章・15
「何があったんだよ。玲?」
「う……」
もじもじと挙動不審な玲。
拓斗は、ピンときた。
これは絶対何かある。
「おい、秋也」
「うん」
不思議な二人のやりとりに、玲は顔を上げた。
そこを狙って、秋也がその細い顎に手をかける。
ゆっくりと、唇を合わせてきた。
今度は違う。
いつもの秋也の、いつもの甘い優しいキスだ。
舌先が、玲の唇をていねいになぞる。
歯列を、歯茎をゆっくりと舐めとる。
薄く開いた間から、そっと差し込まれる舌に玲は思わず反応した。
だがしかし。
舌を伸ばし、絡めようとしたとたん。
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