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第二章・16
「?」
秋也の舌は、玲の咥内からすっと引いていった。
間をおいて、再び先ほどと同じようにゆっくりといじめにかかる。
しかし、何度やっても玲が舌を差し出した瞬間に、秋也はまるでおあずけのように逃げるのだ。
「秋也」
たまらなくなって物欲しげな声をあげた玲に、秋也ではなく拓斗が応えた。
「欲しいか? 玲。だったら言えよ。何があったんだ?」
いやいやをするようにかぶりを振った玲だったが、今度はその首筋に秋也が口づけてきた。
敏感なラインを何度何度も舌先で往復し、昂ぶらせてくる。
身を震わせた玲の耳を食み、熱い息を吹きかける。
眼を固く閉じ、唇を噛んで一生懸命耐えるが熱は上がっていく一方だ。
「ん、んんっ」
「強情なヤツだな」
呆れた声をあげた拓斗だったが、そう声をかけてぎょっとした。
玲をやんわりといじめていたはずの秋也が、はぁはぁと急いた呼吸で強く嬲り始めているのだ。
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