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第二章・22
「どうしてお前はいつもそう騒々しいんだ」
「なンだとぅ。せっかくいいもの持ってきてやったのによ」
そう言いながらも、上機嫌で拓斗は手にした数本の小瓶をベッドのサイドテーブルに並べ始めた。
そのうちの一本の口を開け、一気に飲み干す。
「何なんだそれは」
「勃起剤」
ぐぅ、と秋也はむせた。
「なんでまたそんな物を!?」
「だってよ~、カワイイ子猫ちゃんが発情してるっていうからよ。やっぱ満足させてやらなきゃ、ってヤツ?」
あと、お前にゃ負けられねえからな、と笑う拓斗の口からは、かすかに潮の香りが。
残りの牡蠣を全部ひとりで平らげたに違いない。
「さて、お次はお前の番だぜ?」
小瓶の一本をかかげてにんまりと笑う拓斗に、玲はだんだんと嫌な予感がし始めていた。
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