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第二章・23
拓斗は複数の小瓶の一つから一本を選び出すと、キャップを開けて玲に微笑みかけた。
「おい、玲。こっち来い♪」
ためらう玲を秋也の下から引きずり出すと、拓斗は小瓶の中の液体を手に取りその体に塗りつけはじめた。
「や。何、これ」
「まぁ、見てなって」
大きな手のひら全体を使って、怪しい液体は玲の白い体に擦り込まれてゆく。
ゆっくりじっくりていねいに、体全体にマッサージをする要領で蠢く拓斗の掌の動きに、玲はだんだんのぼせ上がってきた。
大きく呼吸をすると、自分でも思いがけずに甘い声が出てきた。
「あっ、あん」
体に触れられているだけで、こんな声がでてしまうなんて。
恥じ入った玲は、きゅっと唇を噛んで声を漏らすまいと耐えた。
「おい、秋也。お前も手伝え」
笑いを含んだ拓斗の声はいやらしい響きを持っていたが、謎の液体にぬるぬると光りはじめた玲の肌は見るからにおいしそうだ。
秋也は黙って小瓶の液体をその手に取ると、同じように玲の体に塗り始めた。
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