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第三章 年に二回の誕生日

 玲はこのところ、落ち着かない毎日を送っていた。  そして、本日この日は僕の誕生日。  だが、親友の一本木拓斗(いっぽんぎ たくと)と、神原 秋也(かんばら あきや)がなんのアクションも起こしてこないのだ。  いつもなら一ヶ月も前から、何か欲しいものはないか、だの、何か食べたいものはないか、だのとお祝いの準備をちらちらとうかがわせてくるのだが、今年に限って一向にその気配がない。  確かに三人とも忙しい日々を過ごしてはいた。  入れ替わり立ち代りで出張に出てみたり、飛び込みの仕事に追われてみたりと顔を合わせない事が多かった。  でも、もう当日なのに!   今日は、僕の誕生日なのに!  一人でうじうじ考えてみてもしかたがないので、玲は自分からそれとなく様子を見に行くことにした。

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