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第三章・20
拓斗が、頬に軽いキスをくれた。
「噴水の広場っつったら、西通りのヤツだろ。夜一人であそこにいたら、私を買ってくださいっていう意味なんだよ」
しょうがねえヤツだな、と拓斗も秋也の上から玲を抱きしめた。
あぁ、二人とも何て優しいんだろう!
玲はようやく泣き止んだ。
二人の腕の温かさに身を任せ、うっとりと眼を閉じた。
「でも、浮気のお仕置きはしなきゃなぁ?」
「え」
「上書きして、消してやる」
「ええッ!?」
ちょっと待って。朝からそんな、ともがく玲を、拓斗と秋也はベッドへゆっくりと押し倒した。
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