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第三章・21
軽いキスを、二人交互にちゅっちゅと落とす。
唇だけでなく、頬をぺろりと舐めて流した涙を拭き取ってくる。
泣いた瞼が腫れないようにと、眼におまじないの口づけをくれる。
そんな子どものようなキスを繰り返す拓斗と秋也。
不貞を働いた僕に、何て優しい二人。
今度は嬉し涙があふれてきた。嗚咽が漏れてくる。
「もう、泣くな」
泣き声があがらぬよう、拓斗がしっかりと唇をふさいできた。
今度は、大人のキス。
拓斗の舌はゆるやかに踊り、玲の咥内を隅々まで舐めまわす。
飲まされた精液のことを思い出した。
きっと清めてくれているに違いないと感じて、玲はそんな拓斗の舌に自分の舌を擦り付けた。
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