83 / 256

第三章・21

 軽いキスを、二人交互にちゅっちゅと落とす。  唇だけでなく、頬をぺろりと舐めて流した涙を拭き取ってくる。  泣いた瞼が腫れないようにと、眼におまじないの口づけをくれる。  そんな子どものようなキスを繰り返す拓斗と秋也。  不貞を働いた僕に、何て優しい二人。  今度は嬉し涙があふれてきた。嗚咽が漏れてくる。 「もう、泣くな」  泣き声があがらぬよう、拓斗がしっかりと唇をふさいできた。  今度は、大人のキス。  拓斗の舌はゆるやかに踊り、玲の咥内を隅々まで舐めまわす。    飲まされた精液のことを思い出した。  きっと清めてくれているに違いないと感じて、玲はそんな拓斗の舌に自分の舌を擦り付けた。

ともだちにシェアしよう!