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第三章・22
ふと、耳に刺激を感じてひくりと動いた。
秋也。
秋也が、玲の耳を愛撫する。
耳は玲が好きな、敏感なポイントだ。
そういえば、あの男は耳を愛してはくれなかった。
自分の喜ぶことを熟知している秋也の愛撫に、玲は安らかな心地を感じた。
眼を閉じ、甘い息を吐く。
拓斗が首筋を、秋也が背筋を愛してくる。
口づけ、舐め、吸い、撫で回しながら身にまとうものを剥いでゆく。
「あぁ……」
声が、ひとりでに漏れてくる。
強要されなくても、本当に感じれば声は自然と漏れてくるものなのだと玲は今更ながら感じていた。
後ろから手を回した秋也に胸の尖りを指で擦られると、たまらなくなって玲は身をよじった。
「あッ、あぁ、ん。んぅ」
秋也の指が乳首の側面を、拓斗の舌先が頂点をいじめてくる。
大きく震えると、先端から溢れ出た感覚を覚えた。
「あぁん! あっ、あッ、あぁあ!」
奔放に啼く玲。
だが、恥ずかしさは感じなかった。
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