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第三章・23
「なぁ……」
こり、と拓斗が少し強く乳首を噛んだ。
「そんな声、ヤツにも聞かせたのか?」
秋也の手が玲の分身までするりと伸びてきて、ぐっと握りこんだ。
「巧かったのか、その男は」
玲は、必死で首を振った。
そんな、そんなことあるわけがない。
比べ物にならないくらい、今の方がずっとずっと気持ちいいのに。
だよな、と笑って拓斗は胸から顔を離し、玲の耳元で囁いた。
「ナニされたんだよ。言ってみ?」
いや、と小さく首を振って玲はうつむいた。
だがそんな玲の耳を、くいっと軽く引っ張って、拓斗は畳み掛けてきた。
「浮気のお仕置きだぜ? 上書きだぜ?」
うぅ、と玲は震えた。
どうやら言うまで許してくれなさそうだ。
消え入りそうに小さな声で、恥ずかしい言葉を告白した。
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