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第三章・29

「だから、体位は?」 「ぃやあぁぁぁ」  言わなければ、ここでおしまいにする、という意地悪な拓斗と秋也に、玲は真っ赤になって細い声を出した。 「後ろから……だった……」  そっか、後ろからね、と言いながら、拓斗は玲を仰向けに寝かせて両脚を掴んだ。 「拓斗!?」 「同じじゃあ、つまんねえだろ」  あと、お前の悦がる顔も見たいからね~♪ と、ぺろりと舌なめずりする拓斗。  あぁ、もうダメ、と玲は両手で顔を覆った。  ゆっくりと拓斗のものが玲の体内に入り込んできた。  くっ、と途中で止め、その後またゆっくりと引き抜く。  そして、また挿れる。  繰り返しながら、玲の体の、心の準備が整うまでやんわりと愛撫する。  それがいつもの拓斗の行為だった。  馴染んだ体。  でも、絶対に無理はさせない優しさが、今日の玲にはまた一段と嬉しかった。  

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