92 / 256

第三章・30

 しだいに、顔を覆っていた手が離れる。  うっとりと潤んだ瞳が、拓斗を映す。  その手をとって、秋也がそっと口づけた。 「気持ちいいか?」 「ぅん……」  秋也と、キスをした。  拓斗に揺さぶられながら、秋也と深く口づけあった。  しだいに荒くなってゆく、玲の喘ぎ。  キスはここまでだ、と秋也が離れていった。  口を塞いでいては苦しかろう。  それに、その愛しい顔を見ていたい。  乱れる表情を味わいたい。  秋也と拓斗は眼を合わせてにこりと笑うと、さらに玲を嬲り始めた。

ともだちにシェアしよう!