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第三章・34

 ふと目を覚ました。  隣に寝ているであろう拓斗と秋也を探す。  これがいいのだ。  激しいセックスの後の安らぎ。  愛しい人と抱き合って眠る甘いひとときが、玲は好きだった。  だがしかし。 「!?」  いない!   隣に寝ているはずの彼らが、いない。  がばと跳ね起きて、きょろきょろしてみても、どこにもいない。  まさか、とドレッサーに眼をやると、何かが置かれてあった。  リボンのかけられた、ふたつのプレゼント。  ほっと安堵の息をついた。  素敵な誕生日だった、と思った。  二人で、あんなにも僕を愛してくれたのだ。  重だるい体を起して、ドアへ歩く。  心地のいい疲労感だった。  そして、ドアを開けた途端。

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