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第四章・19
にやけた拓斗を見る目が、時折かすむ。
揺さぶられ、体が波打つたびに涙がぽろぽろとこぼれた。
「泣け。わめけ」
「んッ、く。いやあぁ」
「まだ言うか。イイって言えよ。気持ちいいです、ってよ!」
拓斗に突かれる合間に、玲は何度も果てた。
溢れ出る淫液が後膣に流れ落ち、たっぷりと潤った秘所がぐちゅぐちゅと卑猥な音をたてる。
悲鳴もかすれてきたころ、ようやく拓斗が体内に熱い昂ぶりを吐き出した。
空気が緩み、ふと荒い息を吐く二人の眼が合った。
だが、拓斗の眼はまだ意地悪な色をたたえていた。
「まさか、これでおしまいと思ってるんじゃねえだろうな」
ぐいいっ、とさらに奥まで突かれ、玲は跳ね上がった。
「あああぁ!」
「へっ、やっぱ体は正直だな!」
玲の内壁は拓斗のものに絡みつき、締めあげてくる。
悶えは艶めき、誘いにかかる。
もくもくと腰を打ちこむ拓斗を、玲は喘ぎながら眺めた。
その時、熱く火照った心に冷たい一粒のしずくが落ちた。
拓斗はもう、意地悪な眼をしてはいなかったのだ。
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