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第四章・20

 なぜかひどく痛々しく見えるその姿。  思えば、酒に飲まれるように酔ってみたり、襲うようにセックスを求めてきたりと、今日の拓斗は絶対に変だ。  何か辛いことが、悲しいことがあったに違いない。  そう感じた時、ようやく玲の胸に拓斗への愛しさが戻ってきた。  逞しい肩に手を伸ばし、そっと撫でた。  僕を抱いて気が晴れるなら、いくらでも。  この体で慰めてあげられるのは、今の短いこの時だけ。  老いて朽ちてしまえば、そうすることなどできないんだ。  後はただ、拓斗の激情を受け止め、その身を捧げた。

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