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第四章・23
執務棟の1階奥に、書庫は設けられていた。
分野別に整理された書類は、一定期間ここで保管されることになっている。
秋也と玲は、祭事関係の書棚のある方へと進んだ。
「半分ずつ手分けして探そうか。その方が早く終わると思うよ。ねえ、秋也。秋也?」
玲は、ぎょっとした。
秋也は書棚の方ではなく、らんらんと光る眼をこちらの方へと向けているのだ。
そして、長い腕と大きな手で抱きすくめ、熱い口づけを求めてきた。
「ん、んんッ!」
もちろん玲はそれには応えず、しっかりと唇を閉じたまま逃れようともがいた。
信じられない。
勤務中である。
しかも、結構人の出入りの頻繁な書庫内で!
玲を抱き締める秋也の力は、もがけばもがくほど強くなる。
さらに強く締めあげられ、たまらず開いた唇から舌が荒々しく入り込んできた。
咥内を舐めまわしながら、秋也の手は玲の服を解きにかかっている。
ようやく離れた唇は、そのまま首筋を強く吸った。
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