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第四章・29
ぐちゅり、ぐちゅぐちゅといやらしい水音を立てながら、秋也のものが体内に埋め込まれてゆく。
こんな恥ずかしい音を、人に聞かれたら。
こんな恥ずかしいところを、人に見られたら。
そんな玲の思いとはうらはらに、秋也は激しく腰を突き動かしてきた。
粘液質の音が、耳に響く。
自らの喘ぎが、耳に響く。
玲は熱い、それでいて甘い息を吐いた。
熱く熱く、火照っていく体。
そしてそれは、同時に心も蝕んでくる。
この昂ぶりは、恥ずかしいとの思いからだけではない。
異常な状況での倒錯した快感に襲われている。
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