146 / 256

第五章・8

「さて、秋也。打ち合わせどおりだが、中出しはもちろんハメも厳禁だ。いいな?」 「解かっている」  福田からもらった茶色の小瓶。  その中には、飲んだ者を夢遊状態にする作用のある薬品が入っていた。  夢うつつの中でなら、恐れもなく体を開くことができよう。  拓斗や秋也と交わりたいと願っているのは玲も同じなので、抵抗なくセックスができるはずだ。  だが、それだけでは不充分。 『目覚めた時に、続きがやりたい、と思わせることが肝心なんだ。いいね?』  福田はそう釘を刺した。  あくまで、玲の方から求めてくるように仕向けること。  それが今回の最大の目的だった。 「俺、ちょっと自信ねえかも」  そう笑いながら、拓斗は玲に口づけた。  拒まれるのでは、との心配がその瞬間までまとわりついていたが、問題はなかった。  玲はすぐに拓斗の首に腕をまわし、強く唇を合わせてきたのだ。  舌を差し入れると、待っていたかのように擦りつけてくる。

ともだちにシェアしよう!