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第五章・16

 玲の潤んだ瞳とばら色に染まった頬に、拓斗と秋也は確かな手ごたえを感じていた。  これはいける。  後は、玲、お前次第だ。 「なぁ、この後どうするよ」 「一日のんびりできるな。釣りにでも行くか」  男二人は、期待を込めて玲の方を見た。 「え、あ、そうだね。んと、でも、お昼寝、とか、したい……かな……」  昼寝。  朝っぱらから、昼寝。  拓斗と秋也は、心の中で堅く握手をし、肩をたたき合った。

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