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第五章・18

 玲はもう一度寝返りを打って、拓斗の頬に唇を押しつけた。 「何だよ」 「……おやすみのキス、して」  はいはい、と拓斗は玲の鼻の頭に唇をちゅと当てた。  そのぞんざいなキスに、ぷぅと頬を膨らませた玲は、ころりと転がって秋也の首筋をちろりと舐めた。 「何だ」 「……して」  何を、とは返さず、秋也は玲をそっと腕で包み込んだ。 「いいのか?」 「ん」  上目遣いで、こくりとうなずく玲は死ぬほど可愛かった。

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