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第六章・6

「コール」 「その上に2万積む」 「秋也!?」 「受けないのか?」  うぅ、と玲は震えた。  でも、ジャックと10の二つのペアに、残りの1枚は9なのだ。  勝てそうな手ではある。  ただ、無表情で金を積み重ねてゆく秋也が怖い。 「受けるよ! その上に……千円」  そろそろ限界かな、と感じたところでやめるのがポイントだ。  あまりコテンパンにやっつけると、次の勝負ができなくなる。 「よし、コール」  どきどきしながら、玲は開かれる秋也のカードを見守った。  ジャックのぺア……え、同じ?   10のペア……そんな!   そして、最後の一枚は……キング!

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