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第六章・7

 あぁ、と玲はテーブルに突っ伏した。  同じツーペアだが、秋也の手の方が強い。  ごっそりと金が奪われていく。 「もう、やめる?」  拓斗が笑いを含んだ声をかけてくる。  しかし、すでに崖っぷちの玲は、ここで引き下がるわけにはいかなかった。 「勝負はこれからだって!」 「そうこなくっちゃ♪」  しかし、玲が破産するまでにそう時間はかからなかった。  すでに有り金全部失っている玲だが、それでもまだ続けると言い張ってくる。 「そんな事言ったって、お前もう無一文じゃねえか」 「このバラを賭ける!」  テーブルに飾ってあったミニバラの鉢植えを抱えて我儘をいう玲は可愛かったが、そんな物を貰っても仕方がない。 「やめておけ。もうお終いだ」  ロシア文学全集を買うだけの金を儲けた秋也は、散らかったカードを集めて整え始めた。 「これで最後! 今度のお給料、全額賭ける!」

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