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第六章・8
何ィ、と拓斗と秋也は眼を丸くした。
むふ~、と鼻息の荒い玲。
秋也からカードをひったくると、返事も待たずに配ってくる。
顔を見合わせ、二人は肩をすくめた。
そこまであのバラに入れ込んでいるのか。
まぁ、勝っても負けてもこれで最後だ。
すでに金は充分巻き上げているんだし、玲の給金が上乗せされようがされまいが響く事はない。
大切な最後の大勝負。
だが、それでも玲の逆・ポーカーフェイスが崩れることはなかった。
馬鹿な奴、と内心大笑いしつつ、拓斗と秋也は勝って当然の勝負をものにした。
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